"【小説を読む】"カテゴリーの記事一覧
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書物を読むカテゴリーが「小説を読む」しかないので、それにしちゃいますが。
小説ではなく、評伝です。
『星新一 一〇〇一話をつくったひと』最相葉月・著(新潮社)読了。
星製薬社長の長男という生まれ。科学で育った青春時代。戦後、会社を継ぎ、そして苦悩の末の離脱──その後も作家になったからといって、順風満帆ではない人生。
とくに「ショートショートの第一人者」と呼ばれながらも文壇から無視され続け、ついに文学賞を手に出来ず迎えた晩年を描く後半は、予想以上に重い内容になっていきます。
苦悩。挫折。そして衰退……。
評伝ものの面白さは、時代小説を読むがごとく「おお、この人がこんなところでこんな風に関わっていたのか!」という驚きの部分。
堪能いたしました。小生の勉強不足で知らなかった、いわゆる「日本のSF黎明期」も本書で知ることができましたし。
これであとは世田谷に行って、ホシヅルを手にいれれば完璧ですか?
『星新一展』は世田谷文学館にて、4月29日から6月27日まで開催されます。