"【文房具を語る】"カテゴリーの記事一覧
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もう5年くらいブログのレイアウトを弄っていなかったのですが、横幅が狭くて窮屈な感じになっておりましたので、新しいテンプレートを入れてもう少し開放感のあるレイアウトに改めてみました。
パソコンも時代につれて画面が大きくなり、横方向への展開も楽になりましたしね。
サムネイルも表示を大きくしました。
写真は、先日発売されてTwitter等では大きな反響のあったシードの新製品・クリアレーダー。
透明でありながらしっかりと消え、ファンシー的進化ではなく事務用消しゴムの新しいパーソナル化の一端となった記念碑的製品です。
ただ、色目でペンを合わせてしまったので、消しゴムで消せないペンで絵とか文字を書いているという大矛盾が……
鮮やかなブルーのラインは、ぺんてるのサインペン、空色です。
伊東屋のペンジャケットに入れて使用しています。
そうそう、ぺんてるといえばプラマン40周年ということで、限定色を発売しましたよね。
6色のうち、5色が渋めなのに対し、1色だけ色鮮やかなカラーが。
ターコイズ、本当に好きな色です。
なので、ペンジャケットはさっそくサインペンの空色からプラマン限定色のターコイズに。
いい色です。
レギュラーになってくれないかなあ……エナージェルインフリーの時みたいに……。 -
持ち運び可能なコンパクトはさみって、ある程度定着したような気がするのです。
上段はレイメイ藤井のペンカットプレミアム。
下段はプラスのフィットカットカーブ ツイッギー。
コンパクトはさみは世代や性別を問わず、あれば便利な文房具。
これにかわいい柄がついていれば、もちろん小学生女子だって買いますでしょう。
少子化とは言っても、やっぱり文房具をめっちゃ買ってくれるのは少年少女たちです。
特に、購買意欲が旺盛で、母親といっしょに小売店を訪れる可能性の高い小学生女子に向けては、「かわいい(そのかわいさは若い母親にも共通の理念)」「使える(実用的であると母親に主張できる)」「手頃(自分の小遣いではやや苦しくとも母親を説得できる額)」の3つを押さえた「女子向け文具」が花盛りです。
大半がキャラクターものやファンシーものだったり、派手な柄やキュートな色使いが成されているわけですが、製品群そのものもちょっと見ない間にずいぶん進化を遂げております。
そんな群雄割拠のキッズ向け文房具のなかで、おとなサイドとしてはあまり見たことがないタイプのコンパクトはさみをキデイランドで購入してまいりました。
まずはこちら。
クラックスのポケチョキ。
コンパクトはさみって、安全性を保つために、鞘というかキャップがついているものが多いですよね。
例えば、シャツの袖からちょろっと糸がでているのを通学途中で発見し、制服のポケットなり通学鞄なりからコンパクトはさみを取り出すとします。
鞘を外すのに、ぜったい両手がいります。まずそこが煩わしい。
そして外した鞘をどこかにしまうか、あるいは利き手でない手に持ち続ける必要があります。煩わしい。
使ったら、鞘を戻す必要があります。これもまた煩わしい。
安全性はもちろん重要なのですけど、利便性で言ったら、鞘はないほうがいいですよね。
クラックスのポケチョキは、動画では慣れてなくて両手で持ってますけど、実際には片手で刃を出し、片手で戻すことができます。べんり。
その代わり、スライダーはカチッと堅く止まるようにはなっていますが、ポケットの中などで刃先がぜったいに出ないとは言い切れません。
もうひとつ、鞘なしを。
こちらはカミオジャパンのスライドシザースCOLLESTA。
ポケチョキとの違いはまず全長ですが、刃渡りはあまり変わりません。
ポケチョキは親指でスライド完了すると左側からハンドルが飛び出すので、握る指は親指を除いた4本のいずれかになります。親指でハンドルを操作したい場合は、動画のように握り直す必要があります。
翻ってCOLLESTAは、スライドパーツがそのままハンドルとして飛び出すので、親指でハンドルを押して切りたい派はシームレスに切る作業を行うことができます。
ハンドルにクリップがついているのもいいデザインです。ポケットなどに挿しておけば、ハンドルが固定されるので切っ先が勝手にスライドして出てしまうのをある程度防ぐことができます。
ただ、世の中にはこの「スプリングでハンドルが飛び出す」はさみが苦手な方もいらっしゃると思います。細かな操作がしづらいので、「糸を切る」「お菓子の袋を開ける」といった作業はできても、例えば「切れていないシールを絵柄にあわせ切り抜く」あるいは「紙工作のための厚紙を切りたい」といった作業は難しいことも。
そんな方には、キャップ式ではありますが、ハンドルパーツが出現するこういうはさみはいかがでしょうか。
同じくカミオジャパンのサクパです。
今回紹介したはさみの中では群を抜く切れ味です。
パッケージには「パワーカーブ機構! コンパクトハサミで初めて搭載! 段ボール、厚紙まで切れ味抜群!」と書かれています。
手許のダンボールで試したところ、ポケチョキやCOLLESTAは刃先まで力が届かずダンボールを切るには力不足でした。
しかしサクパは刃先まで一気に切れ込み、まさしくサクサクと作業を行うことができました。
本気でよく切れるコンパクトはさみです。
外出先で何を切るかは、皆様の行動範囲やアイデア次第で変わると思います。
コンパクトはさみが欲しいと思われましたら、実際はいくつか試してみてベストを探すしかないかもしれません。
それでも、今回のこのサクパは「鞘がある」ことを不満に思わないなら、一度はお試しいただきたい逸品です。
いやいや糸くずくらいしか切らないし鞘は嫌い、という方はポケチョキやCOLLESTAをどうぞどうぞ! -
マグサンドという製品をご存知でしょうか。
2019年度日本文具大賞機能部門優秀賞にも輝いた、業界初の「窓ガラスにはさんで使う」マグネットです。
強力ネオジム磁石をシリコーンで包み、ガラスの両側から挟み込んで磁力固定させる新しいタイプのマグネットフックとして、2019年のマグネットシーンで注目されている新製品です。
例えばお店などでは、大きなウインドウにこのマグサンドを設置して、ちょっとしたポップやメニューなどをぶらさげておくと便利ですよね。
では翻って、一般家庭でマグサンドが活躍するシーンはありますでしょうか?
金属面にマグネットフックを設置して便利、は当たり前ですので、ここではわたしの使い方をご覧に入れましょう。
まずは、無印良品のポリプロピレンケース「収納ラック・深型」の側面につけたマグサンド。
抽斗式では内側からマグネットをつけることができませんが、うちの収納ラックは抽斗のないタイプ。壁面が動かないので、側面にフックを増設できました。
続いて、デスクライトの支柱にフックを増やしてみました。
支柱そのものは金属製ですが、マグネットがつかないアルミニウム。厚さが18.8ミリありますが、マグサンドは難なく固定が可能です。あまり重たいものは吊り下げることができませんが、くるくるカールくん2くらいなら全く問題ありません。
あと、驚いたのがこれ。
判りますかね。
ふすまにもフックが増やせます!
こっちも輪ゴムかけるくらいならお安いご用です。
この襖はぴったり締めてしまうと弾き手が埋まってしまう関係から、常に15センチくらい出して完全収納しないようにしているのですが、手が届くところにフックが増えると便利べんり。
あとは番外編。
マグサンドは2つのマグネットを合わせて使用しますから、もちろん1個1個も強力な磁石として使用できます。
これは金属面にフックつきマグネットだけをつけた例です。
垂れがちな充電用Lightningケーブルをフックに引っ掛け、さらに端子部分をマグネットに触れさせておくと、だらりとせず取り出しも容易になります。
アイデア次第でいろいろ応用範囲が多そうなマグサンド。「挟む場所なんてないしなあ」などと尻込みせず、ぜひお手にとってその性能と使い勝手を確かめてみてください。 -
ちょっとしたインクブームが文房具業界を席巻しております。
わたしもその末席にちょこんと座っているわけですが(むしろムスメのほうが重篤です)、さいきんは万年筆+インクだけでなくガラスペン+インクも楽しいと思い始めまして。
外出先でインク瓶を持ち込んだオフ会などがあった場合、ガラスペンって有用ですよね。ちょっと試しに書かせてもらったり。ただ、自宅で使う分にはコップとか洗面所で洗えばいいわけですが、外出先で自由にガラスペンを洗うって意外と難しいなあ、と。
当初は空になったインク瓶でいけるか? とも思ったのですが。
いま持ち歩き用に使っているDevil Dip Penは軸部分が太く、色彩雫miniの口には入りませんでした。水をたっぷり入れておけばペン先は当たるのですけど、うーむ。
あと、ガラス瓶を持ち歩くってことは、ペンケースとは別にガラス瓶を持ち歩くことになるので、わたしのスタイルからも外れてしまいます。
理想を言えば、つくしペンケース〈革〉に入る洗筆装置が欲しい。
瓶を持ち歩いている話題をTwitterでしていたら、友人である藤村阿智さんから提案が。
「水筆を持ち歩けば?」
なるほど! 天才現る!
というわけで、手持ちの水筆大集合です。
この中で、持ち歩きが最も楽なものを「ガラスペン洗筆ペン」として持ち歩きましょう!
というわけで、一番スリムなVistageみず筆〈スリムタイプ〉を選択。
使い終わったらペン先をティシューで拭って、その後みず筆で軽くペン先をなで、改めてティシューで拭ってフィニッシュです。
しばらくこのスタイルでガラスペン可搬システムを運用してみます。
右ポケットにティシューも入れておきます。
さて。
うまくいきますかね。 -
万年筆を使っていると、定番の色以外のインクも使ってみたくなりますよね。
今はメーカーだけでなく、ショップオリジナルのインクもよりどりみどり。ぼやぼやしてたら後ろからバッサリの時代です。
いろいろ試してみたいけど、まあやっぱりそこはほら、全く使わない色を買ってもなあ、と。
そんな中、京都に本社のあるTAG STATIONERYから、ちょっと魅力的なインクが登場しました。
文染(ふみそめ)は、草木染めで使用される天然素材でつくられたインクです。
ラインナップは4色。
藍(あい)。
葉緑(はみどり)。
梔子(くちなし)。
地衣(ちい)。
パッケージも素敵です。
説明文はケース内側に印刷され、箱から出すと拡がって読めるようになります。
藍は、藍染めの藍。
葉緑は、桑の葉から抽出した葉緑素。
梔子は、ずばりクチナシの実。
地衣は、藻類と菌類と共生たる「地衣植物」。
そんな天然の素材からつくられた、独特の風合いを持つインクたち。
その開発秘話は、こちらで詳しく語られています。
このインクは日光や蛍光灯などの紫外線に弱く、また高温多湿にも影響を受けます。
使用しないときは必ず瓶をケースにしまい、直射を避け暗所に保管してください。
筆記された紙面のインクも、長期保存には向いていません。消えてなくなることはないにせよ、一生読めないと困るといった保存書類などには使用されないほうがいいでしょう。
ただ。
そんな弱点もまた、本製品の魅力のひとつに見えて仕方がありません。
そういった儚さも含め、草木染めをルーツに持つこのインクで、いろいろ書いてみたくて仕方がない自分がここにいます。
「ぜったい消えてなくなっては困る!」と言う記録には、顔料インクや古典インクなどの退色や水濡れに強いインクを使いましょう。でも、「べつに後世まで残したいわけじゃないし」というメモや草案、それこそわたしが日頃手帳に連ねている駄文などには、こういった儚げなインクを使うのもおつなものです。
あとね。
これは実際に購入しないとわからないと思うのですが。
梔子、ホントにクチナシの香りがするんです。めっちゃ甘くていい香りが。
この香りに惚れて買ったと言っても過言ではありません。
葉緑も、そこまで強いわけではありませんが、葉っぱの香りがします。
藍と地衣は匂いません。