"【文房具を語る】"カテゴリーの記事一覧
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うちのムスコ(ちいさいころから「ダイノジ」と呼んでいます)もこの春で小学5年生。
身体はでかくなりましたが、生活態度は相変わらずで。
きのうも筆箱を机上に放置していたので確認したら、鉛筆がごそっとなくなっておりました。
どこに行ってしまうのか本人も判らないようなので、根掘り葉掘り訊いたりはしません。
鉛筆と消しゴムは小学生にとって本当の意味での消耗品。
毎日使う、学校での相棒です。
それこそ日常的に手にして使うものですから、「なんでもいい」はずがありません。
我が家では現在、ダイノジにハイユニ2Bを削って渡しています。
ちびて使えなくなったものや折れてしまったものは交換し、自宅で鉛筆補助軸を使って使用します。
紛失してしまったものは仕方ないので、改めて新品を削って入れておきます。
日本製の鉛筆はどれも品質が高水準で、何を選んでも小学生が授業でノートを取る際に問題になるような製品はありません。技術的に成熟してしまった結果、JISマークの表示が不要であると業界内で判断されたほどです(JIS規格そのものは存在し、日本製の鉛筆はそれを厳格に守り製造されています)。
なので、別に三菱鉛筆でもトンボ鉛筆でも北星鉛筆でも、日本製であればどこでも構わないはずです。
でも、ダイノジは絵を描くのが好きで、授業以外でもいっぱい鉛筆を使います。
絵を描くとなると、やはりアート方面に性能を振った、ちょっといい鉛筆を使わせてあげたくなります。
日本で最高品質であるならば、それは紛れもなく世界で最高品質です。
ハイユニは日本が誇る世界の鉛筆です。
その滑らかさ、軸の質感、黒々とした筆跡──どれを取っても「子供の頃から肌で感じ取って欲しい最上級の心地よさ」なのです。
1ダース、ラスト1本。
そろそろ次を用意しておく必要があります。
でも次はモノ100を買ってきて与えるかもしれません。
そういう選択肢がある、ということ自体が「日本が豊かな証拠」だと思っていますから。
ハイユニもモノ100も、一本で140円(税抜)です。これを「たかが鉛筆一本に」「高い」と言って忌避してしまうのは本当にもったいないです。
わずか140円で、筆記距離50キロメートルの旅に出ることができるというのに。しかも高級サルーンの乗り心地に似たストレスフリーのロングドライブが楽しめるというのに。
そういう楽しみを、大人も、子供と共有して欲しいと思います。 -
会社で毎日、ワイシャツの胸ポケットに入っている。
ジブン手帳にスケジュールを、健康情報を、メモを書き込む。
ポスト・イットだろうとアクセスノートブックだろうと何だろうと、最初に書き込むのに使う。
つまりは、いま相棒と呼んで差し支えない、小生のトップバッター。
それがフリクションボール4です。
こすって消すことのできるゲルインキボールペン、フリクションボールの4色複合タイプですね。
グリップはUNUSのスマートグリップに換装しています。当初は溝タイプを愛用していたのですが、本体ごと紛失。現在はローレットタイプに落ち着きました。
フリクションボール4のラバーグリップはあまり好きになれません。何となく「滑らなすぎ」で。
手の中でも、ポケットでも、するりと入ってさっと出て行き、そして書くときはしっかり止まる──ラバーではできなかった手触りが、スマートグリップでは実現できます。
アルミ製なので、金属の削り出しではありますが、さほど重くは感じません。でも、プラ製のラバーグリップよりは重いのです。
この「わずかな重さ」が、ペン先のコントロールしやすさに繋がっています。
フリクションボール4は購入時0.5ミリリフィルが入っていますが、小生はすべて0.38ミリの極細リフィルに換装しています。
フリクションインキのブラックは改良を重ねられ、かなり濃く黒々とした筆跡を見せるようになりました。でも、フリクションボール3発売当時から4年以上ブルーで文字を書いてきたので、どれほど進化しても気持ちがブラックになびきません。
なので、フリクションボール4のブラック部分は、UNUSのリフィルアダプタを噛ませて油性ボールペンであるアクロ芯BRFS-10EF-Bを入れています。
これで「消えては困る文書」が突然現れても問題なく対応ができます。
使い込んで塗装が剥げかかってきたローレットグリップですが、その愛着は増すばかり。
こいつが一線を退く日を想像するのは難しいですね。
まさに愛用、まさに相棒。
更なる画期的な筆記具が出ることを夢想しながら、今日もフリクションボール4を紙面に走らせています。 -
ペンスタンドが好きです。
どんな文房具も立っていて欲しい小生は、ペンも本当は立たせておきたいのです。
ただ、ペンスタンドはいつの間にかぎっしりになってしまい、ペンがぎゅうぎゅうで抜き挿しすらままならない状態に。
いつも使うお気に入りの数本だけを、定位置でいつも立たせておきたい。
そんな思いを抱いたまま、3月19日(日曜日)は豊島区雑司が谷へ。
手創り市に出品されている工房Qさんとこにお邪魔いたしまして、今回の変化球を見せていただいたのです。
その名もペンウォール。
理想にかなり近い、革製のペンスタンドです。
サイズは4種類ありました。
購入したのが、5本挿しの背の低いもの。
同じ5本挿しで、ペンが中程まで隠れる背の高いもの。
10本挿しで、背の低いもの。
そして、10本挿しで背の高いもの。
ちょっと10本挿しは小生の机上では厳しいので、迷うことなく5本挿しを。
5本挿しの背の高いものは売り切れでしたので、必然的に背の低いものを購入して帰りました。
いや、いいですね。
内部で革が二重に弧を描いているので、背の低いものでもペンがひっくり返って抜けることはありません。
底は木ですが、中に革が敷いてあるので、少しばかり乱暴に穴に挿しても安心できます。
重量もあり、ヘビー級の筆記具ばかり並べても倒れたりしません。
永く愛することができそうなペンスタンドです。
で、これを撮影するために、簡易撮影ブースを導入致しました。
組み立て式のカラーボックスにLEDユニットを天板として挟んである製品です。
小生の技術のせいもあるのでしょうが、組んだ板と板の間に隙間が発生してしまっていて、どうも不格好な物体になってしまいました。あと、バックスクリーンの用意がないので、スケッチブックを1枚破ってマステで貼りつけてあります。ここはもうちょっと何とかしようかな。
小物類はこれで気楽に撮影ができそうです。
ブログ更新の手が止まっている理由として「写真が上手く撮れなくてねえ」という言い訳を使ってきたのですが、まあ言い訳はやめにして、もうちょっと何とかしましょう。何とか。 -
小生は、気分や用途によって筆記具を替える性格です。
紙も同じで、筆記具によって、また状況によって、紙質の違うものを使いたいと思うことがよくあります。
登場する機会は決して多くはないのですが、手放せないラインナップとして、ジョッターペンケースに収め毎日持ち歩くようになった、新製品でない筆記具たちがあります。
まずは、パーカー5th“インジェニュイティ”。
以前から興味はあり、店頭での試し書きなどがあればいろいろ書き込んでは「うーむ」と腕組みして去って行った製品です。
こうして実際に使用してみても、正直に言えば「価格に見合った感動」はありません。
この“インジェニュイティ”は定価20,000円(税抜)。
レフィルが1,000円(税抜)。
そして書き味は、ミリペン。ピグマとか、ドローイングペンとか、マルチライナーとか、ああいうポーラスチップの水性ペン。
でも、製図やイラストに使用されるミリペンと異なり、インクのフローはムラがあります。
もう発売されて永いので、いろいろなところで散々レビューされているとは思います。
黒インクはそうでもないかもしれませんが、小生が好んで使っているターコイズブルーでは、「書き始めた行」と「最終行」で明らかに書かれた文字の色が異なります。
リフィル内部でペン先に対するインクの供給が追いついていないのですね。
よくインクを吸う紙でこの状態ですので、インクをあまり吸わない滑らかな用紙を使用すると、「一行目」と「二行目」ですでに色が違ってきます。
ターコイズブルーは使い始めたばかりのため、まだペン先が減ったという実感はありません。でもここから先、どんどんペン先が減って潰れて、線が太くなっていくのでしょうね。
なんだか弱点だらけの製品のように感じられるかもしれません。
でも、他の筆記具にはない味わいがあるのもまた事実です。
「紙にインクが染みていく」様が大好きな小生にとって、パーカー5thはけっこう好きなペンなのです。
ミリペンの多くが水性顔料を使用し、書いても紙に染み込んだ感じがしないのと対照的に、パーカー5thはミリペンの感触なのにインクが紙に染みていきます。かなりたっぷりと。
そこをパーカーは「万年筆的ななにか」と考えているのかもしれません。
あとは、このターコイズブルー(ブルーと言っておきながらかなりグリーン寄り)が、今の小生の気分にぴったりなんです。いい色だなあ。
でも、ペン先が減ったり潰れたりして線が太くなるのは嫌だ。
ただ、インクは紙に染みて行って欲しい。
そういう、万年筆じゃなくて、インクを使うペン。
普段使いで持ち歩くことのできるペン。
この小生のつまらない希望を叶えてくれるのが、ぺんてるのセラミクロン500です。
1980年代の筆記具ですね。もう生産終了して永いので、現在店頭では入手不可能です。
「ブンキョウ・ブングジャム#8」『ぶらりタコ歩き2015』で訪れたシナノヤ文具で購入し、今でも現役で使用しているのですが、これが上記の小生の希望にドンピシャなんですね。
ペン先はセラミックです。
ミリペン構造ですが、フェルトチップではないので減ったり潰れたりせず、最後まで同じ筆記幅を保ちます。
インクは水性染料です。耐水性はありませんが、実に黒々としていて、しかもしっかり紙に染みていきます。
パーカー5thは何でも書く用で、決まった出番があるわけではありません。ですが、セラミクロン500は週に一度かならず活躍する場があります。
月曜日に会社に行き、席について、最初にするのは──その週のToDoを確認することです。
コレクトの5×3カード「C-532補助6ミリ罫 両面」を取り出し、そこにチェック用の□を書き込みます。使用するテンプレートは、ノックスブレインのカードサイズスタイルテンプレートです。このチェックボックス4つが、6ミリ罫線に合うように配置されているのです。
ここにペン先を入れて□を4つ書き、さらにカードをずらしてその下に4つ、□を書き入れます。
このテンプレート、実に重宝しているのですが、金属製のためにボールペンで使うとチップを傷めてインクのぼた落ちを招いてしまいます。
手近にシャープペンシルがあればそれでいいのですが、「枠」ですので、何となく消えない(消せない)ペンがいいなあ、と思っておりまして。
セラミクロン500が手許に来て、チェックボックスを書くことにためらいがなくなりました。本来の製図ペンとしての使用方法だ、と言われてしまえばそれまでなのですが。
実はこのセラミクロン500、一般筆記具としてはあまり書き味がいいほうではありません。
紙によってはかなり引っかかりますし、21世紀に生まれた優れた筆記具たちと較べてしまうのも酷な気がします。
それでも、やっぱりこの感じが好きなので、普段から持ち歩いてチェックボックス以外にも使ってしまうのですよね。
このセラミクロン500については、その思いを短編小説にしております。
だいもんさんの主催する文房具アンソロジー同人誌に収録される予定ですので、また詳細が決まり次第ここでご報告させていただきます。 -
本日は有給休暇をいただいて、毎年恒例の確定申告。
無事に書類も受理してもらい、ほっとした帰り道。
「そういえば、この角を駅方面と反対に曲がると文房具店があったなあ」
というわけで、普段は訪れない文房具店を訪れてみました。
これといって何もレーダーに引っかからなかったら、我が家でいちばんの消耗品であるコレクトの5×3カードを買って帰ろう──などと思って店内を眺めてみたら。
ちょっとまって。
これを今、売ってるの?
店内は最新の文房具にアップデートされ、学童から事務用品、その他さまざまなお客様のニーズに応えられそうな品揃えで。
決して死蔵した商品が棚で埃を被っているようなお店ではありません。
それなのに、パンチやブックエンドが整然と並ぶ中、このパッケージだけがまるで違和感まるだしで置かれていて。
まあ買いますよね。
小生にとって、思い出深いシリーズ文具ですし。
窓の部分のセロファンが劣化して破れ消えてしまい、中が埃だらけだったとしても。
パイロットコーポレーションがまだ「株式会社パイロット」だったころに展開していた合体文具シリーズ、「NEWS」です。
ペンと定規、ステープラーとテープカッター、ハサミとカッターなど、ふたつの機能を合体させた文具を出していたのです。
この製品の名は、ブッケンドルダ。
ブックエンド(A5判程度の大きさの本立て機能)とカードホルダ(カードなどを6枚立てておけるスタンド機能)を合体させたものです。
裏面を読むとカードホルダ部分の説明に「名刺、伝票、メモ、週間(6日分)情報カード等を」と描かれているのが時代ですねえ。まだ週休5日制が定着していなかったころの製品です。
アクセスノートブックポケットを立ててみました。
実用に問題はないので、このまま自宅で使う予定です。
まあ、定価だった(2,500円+税!)のがちょいと痛い出費になったのは事実なのですが……でも、想い出には敵わないですよね。まさに四半世紀前に愛用していた製品ですので。
今度は大切に使いますね。