"【文房具を語る】"カテゴリーの記事一覧
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小生にとって「懐かしい」とは、つまり幼少期から青年期までの出来事と、それにまつわる想い出のこと。
自分の生まれていなかった大昔や、見たことも触れたこともない歴史的な具象に関しては,、「懐かしい」のではなく「興味がある(あるいは「興味が沸く」)」対象なわけです。
そもそも、知らないのに「懐かしい」とはこれ如何に。
出会ったこともないものを「懐かしい」とはどういうことか。
過去に見て、触れて、感じて、それにいい想い出があるもの。
そして、それがもう手許になくて、手に入らないと判っているもの。
これが小生の「懐かしい」です。
そして、この21世紀の文房具店にも、この「懐かしい」が潜んでいるのです。
これを見て「うわあ、懐かしい!」と思う人がどのくらいいるのでしょうか。
骨董品ではありません。
デッドストックでもありません。
2016年1月23日に、ロフト池袋店で買ってきたものです。
知らない人や興味のない人には、ただの樹脂製のペンスタンドでしょう。
そう、これは見たとおり、ペンスタンドです。
奥の半円がペンを立てるために深くなっており、手前の仕切られた半円は浅く、消しゴム程度の大きさのものを置くようにできています。
正面にポケットがありますよね。ここは何を入れると便利ですかね。付箋ですかね。それともクリップとか。あるいは小さなテープのりなど転がしておきましょうか。
プラスのWITTY-PARTYシリーズです。
この樹脂のカーブ具合。
この樹脂のカラーリング。
この樹脂の表面シボ。
どれをとっても、小生が好きだった「ピーズバーやチームデミのプラス」の、あの時代の意匠です。
1987年から、現役。
決して衰えない、クレイジー80'sのあの頃のパワー。
小生のいう「懐かしい」とは、こういう製品のことです。
全くもって共感していただけないとは思います。
でも、やっぱり、この頃のプラスって輝いていました。
大好きなメーカーでした。
これからもこのシリーズ、なくならないでいて欲しいと思います。
ちょっと買い支える面は難しそうですが……次はデスクトレイあたりを……。 -
新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
ことしの抱負も昨年同様、「まじめに生きる」です。
仕事も趣味も家庭も、誠実に着実に向き合い楽しんで過ごして参りたいと思っております。
他故壁氏としては、ブング・ジャムの名前でもう少し活動増やしたいですね。
楽光一としては、夏に向けまた新作小説が用意できるといいかな、と。
家族とは、たまには揃って温泉旅行とか行ってみたいし。
仕事は……もちろん頑張りますよ!
新年早々『ローグ・ワン』観て、創作とは何かを考えたりしている小生でした。
考えることは楽しいものです。
そして考えたことを形にするため、文房具を駆使することもまた楽しいです。
インプットとアウトプット。
経験と思考と行動と。
生きている実感を得るためにも、可能な限り走り続けようと思います。 -
というわけで、はやいもので2016年も残り僅かです。
拙ブログを閲覧してくださった皆様、今年は本当にありがとうございました。
8月から11月の3ヶ月ほど、とにかく公私ともに忙しくブログを更新できない日々が続きました。
でも、それもつまりは気の持ちようで。
やりたいことを、限られた時間の中でやる。その優先順位のつけ方を変えることによって、12月からブログの更新も復活することができました。
やりたいことを、限られた時間内でやる。
当たり前のことです。
その当たり前のことができないとき、ひとは疲れていたりなにかを見失ったりしているのだと思います。
とある読者様から「さいきんブログ更新ないですね」と訊かれたとき、小生はいろいろ言い訳を口にしました。
そしてその言い訳がすらすら出てくる自分に嫌悪したのです。
「好きでやっていることなのに、できない理由が用意されているってどういうことだ」と。
8月に更新が止まってから12月に復帰するまで、特筆すべき出来事がありました。
それを日取りを遡って記載するのは簡単です。
でも、「凹んでいた時期があった」こともまた事実です。
過去エントリを上げてそこを埋めるのではなく、この2016年最後のエントリにその出来事をそっと掲載し、今年の締めくくりとしたいと思います。
2016年8月27日、土曜日。
品川区、コクヨホール。
「シナガワ・ブングジャム」開催。
ブング・ジャム10周年記念の会であり、過去最大の150名の参加者で溢れかえりました。
お土産の量も過去最大です。
ブング・ジャム10周年記念同人誌『文具の研究と表現』も会場で頒布されました。
これこそが2016年最大の出来事であり、喜びの瞬間でもありました。
参加された皆様、本当にありがとうございました。
来年は11周年です。また夏には開催を予定しておりますので、宜しくお願い申し上げます。 -
パイロットからついに折れないシャープが発売されました。
モーグルエアーです。
「モグって折れない。」をキャッチコピーとして、折れないシャープ戦争に真っ向から勝負です。
現行の、「折れない」ことを売りにしたシャープペンシルたち(すいません、このジャンルの元祖たるオレーヌが行方不明で……)。
ぺんてる・オレンズ。
ゼブラ・デルガード。
三菱鉛筆・クルトガパイプスライド。
パイロット・モーグルエアー。
それぞれに個性的な長所があります。
オレンズの武器は、他社にない0.2ミリという強烈に細いシャープ芯。
もともとパイプから出ているだけで折れてしまう0.2ミリ芯をまともに筆記に使うための策として、「パイプをスライドさせ芯の露出を最低限にする」折れない機構=オレンズシステムが必要だったわけです。
デルガードは逆に、「0.5でも折れちゃう高筆圧のひとのための」どうやっても芯が折れないシステム。垂直の力にはユニットが潜って衝撃を吸収、斜めの力にはユニット先端がせり出して芯をガードします。
クルトガパイプスライドは、オレンズ式と呼べるでしょう。「パイプから出てなければ折れないよね」というスタンスで、パイプが伸縮して芯を守り続けます。結果、ワンノックでの筆記距離がぐんと伸びました。
モーグルエアーは、そういう意味ではデルガード式です。
垂直の力にはユニットが潜って衝撃を吸収します。
斜めの力も潜って吸収すればええやん、ということですね。
そしてパイプはスライドしません。
2ノックまでを推奨しているので、他社3種の中ではワンノックの筆記距離が短い、とも言えます。
これをカバーしたのが、パイロットお得意のフレフレ機構です。
振って芯が出るフレフレを内蔵したことで、戻ってノックするよりは速い速度でリズムに乗って芯を出すことができます。
上記4社のメリットを簡単に言うと、こんな感じでしょうか。
・オレンズ:0.2ミリという強烈に細い芯で細かく書きたい方に。パイプに紙が当たっていても気にしない方に。
・デルガード:0.5ミリでも必ず芯が折れるという高筆圧の方に。パイプが紙に当たる瞬間があっても気にしない方に。
・クルトガパイプスライド:0.5ミリでも常に安定した筆記線が欲しい方に。ノック数が少なくたくさん書ける機能が欲しい方に。パイプが紙に当たっていても気にしない方に。
・モーグルエアー:0.5ミリでも必ず芯が折れるという高筆圧の方に。パイプが紙に当たるのが嫌な方に。フレフレ機構が好きな方に。
ここまで書いておいて何なのですが、小生は筆圧を数年かけて矯正した結果、0.3ミリでもほぼ芯折れを起こさないほどに筆圧をコントロールできるようのなりまして。
なので、実はことさら「折れない!」を協調する機能は必要ないのです。
でも、昔むかしの「芯が潜ってクッションが効いていたシャープペン」の感触が好きだったので、こういう機能戦争には決して無関心だったわけではありません。
あと、パイプが紙に当たるの嫌いなんですよね……。
身体にフレフレが染みついている関係から、モーグルエアーの登場は大歓迎です。
ずいぶん使用頻度は少なくなってしまいましたが、それでも今でも絵を描くときは鉛筆かシャープペンが必要な身体です。
今後はペンケースにモーグルエアーを忍ばせておきましょうかね。