"【文房具を語る】"カテゴリーの記事一覧
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市川市にある「夜7時から開く文房具店」ぷんぷく堂から、すてきな贈り物が飛来しました。
商品名は「半分鉛筆」。
お店に集う鉛筆ファンの声をもとに製作されたそうです。
曰く、新品の鉛筆は長くて、今使っている筆箱に入らない。
曰く、新しい鉛筆を買うと、半分に折って使っている。
曰く、補助軸を使いたいのだけど、短い鉛筆が販売されていたらいいのに。
そういう声に押されて登場したのが、ぷんぷく堂一周年記念のオリジナル鉛筆「半分鉛筆」です。
なるほど、フルサイズの鉛筆と較べると、ちょうど半分です。
さっそく削って、補助軸にセットしました。
この「補助軸用に短くなっている鉛筆」というものに、永いこと憧れていました。
それがついにお店で買える時代が来たのですね。
硬度はB、4本入りで294円です。
また、ぷんぷく堂では2013年5月4日から6日まで、一周年記念のイベントも催される予定です。
そこでは、チャリティのための鉛筆も販売されます。
前田鉛筆製作所の「再生鉛筆」です。
印刷ミス等で納品されなかった鉛筆は廃棄される運命です。でも、鉛筆として書けないわけではありません。
その廃棄対象の鉛筆表面を削り取り、改めて塗装をして「再生PENCIL 資源を大切に」と箔押ししたのが、本製品です。
表面を削ってしまった関係で、硬度がいっさい判りません。でも、何となくミステリアスな魅力が出たような気がします。
これを4本組で50円にて販売するそうです。
鉛筆もまだまだ捨てたものではありません。
大人になってから改めて使う鉛筆、こういったアイディアや気配りのあるものを使ってみる、というのもいいですよね。 -
きだて氏に借りていた『鉛筆と人間』、ようやく読み終えました。
著者ヘンリー・ペトロスキーは米国デューク大学の工学部教授。専門は土木工学です。
ありとあらゆる「技術」に興味関心がある彼は、ふと気がつきます。人間が思いついたものを脳から取り出して指し示すのに「それがないと何も始まらない」はずのものが、技術的に、また歴史的にいっさい語られていないことに。
鉛筆。
あること自体が当たり前で、使い捨てられていく運命のもの。それがないと生まれなかった「技術」があるにも関わらず、道具としても無視され続けてきた存在。
その鉛筆が生まれたのもまた、「技術」の積み重ねです。
本書は1989年に編まれ、1993年に翻訳されました。
この時代、すでに鉛筆は斜陽の時代になっています。
筆記具の中心はボールペンやシャープペンに移り、そういう筆記具すらワープロやパソコンによって活躍の場を失おうとしていた頃──鉛筆の発生から黄金期までを総括する本書の中では、鉛筆は文字通り光り輝いています。
世界各国では、まだ鉛筆の需要は多く存在します。ただ、以前ほどではないのもまた事実です。
消えゆく存在、鉛筆。
しかし、力強い「縁の下の力持ち」であり続ける、鉛筆。
ノスタルジーだけではない「何か」を、「技術」という面から見据えているのが本書の特徴です。
鉛筆の誕生から、現在まで。数百年に及ぶ鉛筆の工学技術の歴史が、この一冊に詰まっています。
日本の鉛筆についての記述がほとんどないのが寂しい限りですが、あとがきで訳者がわずかながらフォローをしています。
『鉛筆と人間・日本編』とか、どなたかお書きになりませんかね。ぜひ読んでみたいのですが。業界内の年表的なものではなく、こうした「技術的な読み物」として。 -
大学時代、東京に来てから「この世にはこんなに多種多様な文房具が溢れているのか!」と感動したものです。
知的生産に関する書物を読みあさり、自分に合うシステムを構築するのが楽しかったあの頃。
様々なフォーマットに触れ、筆記具もノートも試しては悩み、試しては変えていったあの頃。
小生を通り過ぎていった文房具たち。
5×3カードもまた、そんな文房具のひとつでした。
「知的生産」と言っても、小生の使用メインは趣味の小説の執筆のためのもの。
ネタを書き出し、溜め込み、それを引っ張り出してきて吟味する。
今でもそうやって一冊の本を書いている作家さんは数多くいらっしゃると思います。
そんな方法に憧れ、メモ魔になるべく奮闘したのですが、肝心のネタは一向に溜まらず。
そして何か閃いたときには書くものがなかったり、別の手帳に書いてしまって集積ができなかったり。
そうした紆余曲折の末、5×3カードは小生の前から消えていきました。
でも。
あのカードを使うやり方には、未だに憧れを捨てきれないのです。
カードというばらばらのものを持ち歩く不便さが、自分の中のハードルだったのではないか。
あれが最初からノートで、後にカードとして切り離すことができたなら、少なくとも「カードを持ち歩いていなかった」というシーンは回避できたのではないか?
そして時は流れ、21世紀。
小生の手許に、また5×3カードが帰ってきました。
Mead社のスパイラルノートタイプ5×3カードです。
天がスパイラルワイヤーで止められており、横書き手帳の形態をしています。
一枚いちまいにミシン目が入っていて、切り取ればそのページが5×3カードになります。
罫は6.5mmで、引かれた線は均質ではなく、ところどころ膨らんだり細くなったり。まるで手書きで引いたみたいな風情です。
リング径が18mmほどあるので、リングの中に筆記具を入れておくことができます。
我が家の筆記具では、Vコーンがジャストサイズでした。
まるであつらえたかのようなフィット感が素晴らしいです。
ノック式だと押されてペン先が出てしまいそうですが、キャップ式のVコーンならそんな心配もありません。書き味は保証つきですし。
がしがし書いてばりばり破って、頭の体操というか脳のリハビリというか、とにかく何でも書いてどんどん使って行こうと思っています。
……この形でルーズリーフノートが出てくれると個人的には最強ツールになると思うのですが、いかがでしょうかメーカーさん。これではこういうノート型カードのような持ち運びはできないので……。 -
ちらりと小雨の舞う渋谷。道玄坂にあるLoftwork Labにて行われました「日本ペン栽展」にお邪魔して参りました。
執り行うのは、こちらのお三方。
左より、試し書きコレクターの寺井さん、色物文具収集家のきだて氏、そして放送作家の古川さん。
さて、では「ペン栽」とはなんぞや、と言いますと。
簡単に言うと「あるがままのペン立ての状態を褒める/褒めてもらう」雅な遊び、ということになります。
作られた生け花的な美ではなく、あくまでそこにあるのは実用と無意識の作り出した侘び寂びであるという解釈です。
Twitter上で応募された300点以上の写真を選って入選作とし、それをスライドで見せながらこの会場で挙手による人気投票もやってしまおう! という大胆な企画でした。
とにかく圧巻の2時間でした。
ひとのペン立て観るの、楽しい!
寺井さん、きだて氏、古川さん、お疲れ様でした!
で、その後はお三方を囲んでの食事会。
渋谷のパンダレストランで、うまい中華を腹一杯食べて歓談いたしました。
さかなプリン(マンゴー味)で〆です。
本当に楽しい週末の夜でした。
