WEZZYに送ったけど載らなかった原稿シリーズ、まだあるんですよ。
新作と交互に出せたらいいのですが、新作を書く余裕がない場合は蔵出しが続きます。
※ ※ ※ ※ ※
筆記具の中でも、筆ペンというものはかなり特殊なポジションだと感じます。
使うシーンは限定されていますよね。本当にお好きで、なんでも筆ペンだ! という方もいらっしゃるかもしれませんが、実際のところ
1)慶弔の際、祝儀袋や不祝儀袋に名前を書く
2)葉書の宛名を書く
3)葉書や便箋の本文を書く
4)熨斗紙に用途と氏名を書く
といった用途が大半ではないでしょうか。
とくにご家庭では、ご結婚はともかく急に決まった告別式やお葬式のために、ストックしていない不祝儀袋と筆ペンを買いに走る、なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。
普段から筆ペンに慣れていない方は、ここで柔らかい穂先とたっぷり出るインキに戸惑われることでしょう。穂先の柔らかさは製品によって選択できますが、たいていの筆ペンはインキがたっぷり出ます。そして、これがまた乾かないんですよね。慌てて書いているから、つい手でこすってしまって、また袋を買いに走る……。
2019年、パイロットコーポレーションは画期的な筆ペンを発売しました。その名も「瞬筆」。書いてわずか1秒でインキが乾くという、驚異の速乾性能を持った筆ペンでした。
ところが、残念なことに瞬筆は染料系のインキで、耐水性がありませんでした。なので、祝儀袋や熨斗紙などには重宝したのですが、雨に晒される可能性のある葉書には使用できませんでした。
残念だざんねんだとずーっと思っていたのですが、ここで2021年に新製品が登場しました。今回の瞬筆は「瞬筆 顔料インキ」──そう、ついに1秒速乾の瞬筆に耐水性のあるタイプが登場したのです。
顔料インキの瞬筆は3種類。
・本格毛筆の中字(定価880円)
・本格毛筆の細字(定価880円)
・中字と細字の二役(定価385円)
3種類とも、インキ色は黒のみです。
本格毛筆は穂先が筆を模した樹脂繊維の束で、イタチ毛や馬毛といった天然のものに較べ約3倍の耐久性があります。
使用前に首透明軸と本体をネジで外し、中間に挟まっているリングを除いてつけ直します。そして本体を潰すようにつまんでインキを穂先に持って行く作業を行います。
以降、インキが薄いなと思われた際には、この「つまんで出す」ポンピング作業を行いつつ書いていくことになります。インキがなくなったら、この本体部分をまるまるカートリッジとして交換可能です。カートリッジは定価330円です。
瞬筆顔料インキの二役は、中字側がやわらかいフェルトの弾丸型チップ、細字側が硬い樹脂のペンチップになっています。筆の柔らかさに慣れていない方は、この細字側を通常のペンのようにお使いになり、必要があった際に中字側で太めの文字を書かれるといいでしょう。
二役はインキが液体の状態で本体に格納されていますが、本格毛筆のように軸をつまんでインキを押し出す必要はありません。インキは万年筆と同様に書いた分が空気交換と共にペン芯を伝ってペン先に供給され、内圧が上がった分は櫛溝が受け止めますのでインキの噴き出しもありません。こちらはインキの交換補充はできません。
とにかく瞬筆顔料インキの最大の売りは「速乾」「耐水」これに尽きます。書いてから、故意に手で擦ってみても、まったくインキが手に着くことがありません。一秒速乾は伊達ではありません。
色目を見ても、過去の筆ペンと何ら遜色がありません。これだけ黒々と出ていて耐水性があって速乾なのですから、今後の筆ペンはすべてこれでもいいのではないかと思うくらいです。
筆ペンの最大の需要期は年末、減ったとはいえ年賀状に使用する量がもっとも多いのも事実です。この冬は久しぶりに筆ペンで年賀状を書いてみませんか。宛名だけでもいいので、ゆっくりと一枚一枚手書きをすることで、忘れていた何かを取り戻ことができるかもしれません。
もちろん、残暑見舞いやその他のカードなど、耐水性のある瞬筆顔料インキなら、どこにでも活躍の場があります。
2019年に発売された染料インキの瞬筆には、うす墨があります。うす墨は不祝儀袋に記入する際に使用する色ですから、耐水性は不要ということで今回の瞬筆顔料インキのラインナップには含まれなかったものと思われます。
宛名は瞬筆顔料インキ、不祝儀用には瞬筆のうす墨。ぜひ一度、お手にとってその速乾性能をご堪能下さい。
新作と交互に出せたらいいのですが、新作を書く余裕がない場合は蔵出しが続きます。
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筆記具の中でも、筆ペンというものはかなり特殊なポジションだと感じます。
使うシーンは限定されていますよね。本当にお好きで、なんでも筆ペンだ! という方もいらっしゃるかもしれませんが、実際のところ
1)慶弔の際、祝儀袋や不祝儀袋に名前を書く
2)葉書の宛名を書く
3)葉書や便箋の本文を書く
4)熨斗紙に用途と氏名を書く
といった用途が大半ではないでしょうか。
とくにご家庭では、ご結婚はともかく急に決まった告別式やお葬式のために、ストックしていない不祝儀袋と筆ペンを買いに走る、なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。
普段から筆ペンに慣れていない方は、ここで柔らかい穂先とたっぷり出るインキに戸惑われることでしょう。穂先の柔らかさは製品によって選択できますが、たいていの筆ペンはインキがたっぷり出ます。そして、これがまた乾かないんですよね。慌てて書いているから、つい手でこすってしまって、また袋を買いに走る……。
2019年、パイロットコーポレーションは画期的な筆ペンを発売しました。その名も「瞬筆」。書いてわずか1秒でインキが乾くという、驚異の速乾性能を持った筆ペンでした。
ところが、残念なことに瞬筆は染料系のインキで、耐水性がありませんでした。なので、祝儀袋や熨斗紙などには重宝したのですが、雨に晒される可能性のある葉書には使用できませんでした。
残念だざんねんだとずーっと思っていたのですが、ここで2021年に新製品が登場しました。今回の瞬筆は「瞬筆 顔料インキ」──そう、ついに1秒速乾の瞬筆に耐水性のあるタイプが登場したのです。
顔料インキの瞬筆は3種類。
・本格毛筆の中字(定価880円)
・本格毛筆の細字(定価880円)
・中字と細字の二役(定価385円)
3種類とも、インキ色は黒のみです。
本格毛筆は穂先が筆を模した樹脂繊維の束で、イタチ毛や馬毛といった天然のものに較べ約3倍の耐久性があります。
使用前に首透明軸と本体をネジで外し、中間に挟まっているリングを除いてつけ直します。そして本体を潰すようにつまんでインキを穂先に持って行く作業を行います。
以降、インキが薄いなと思われた際には、この「つまんで出す」ポンピング作業を行いつつ書いていくことになります。インキがなくなったら、この本体部分をまるまるカートリッジとして交換可能です。カートリッジは定価330円です。
瞬筆顔料インキの二役は、中字側がやわらかいフェルトの弾丸型チップ、細字側が硬い樹脂のペンチップになっています。筆の柔らかさに慣れていない方は、この細字側を通常のペンのようにお使いになり、必要があった際に中字側で太めの文字を書かれるといいでしょう。
二役はインキが液体の状態で本体に格納されていますが、本格毛筆のように軸をつまんでインキを押し出す必要はありません。インキは万年筆と同様に書いた分が空気交換と共にペン芯を伝ってペン先に供給され、内圧が上がった分は櫛溝が受け止めますのでインキの噴き出しもありません。こちらはインキの交換補充はできません。
とにかく瞬筆顔料インキの最大の売りは「速乾」「耐水」これに尽きます。書いてから、故意に手で擦ってみても、まったくインキが手に着くことがありません。一秒速乾は伊達ではありません。
色目を見ても、過去の筆ペンと何ら遜色がありません。これだけ黒々と出ていて耐水性があって速乾なのですから、今後の筆ペンはすべてこれでもいいのではないかと思うくらいです。
筆ペンの最大の需要期は年末、減ったとはいえ年賀状に使用する量がもっとも多いのも事実です。この冬は久しぶりに筆ペンで年賀状を書いてみませんか。宛名だけでもいいので、ゆっくりと一枚一枚手書きをすることで、忘れていた何かを取り戻ことができるかもしれません。
もちろん、残暑見舞いやその他のカードなど、耐水性のある瞬筆顔料インキなら、どこにでも活躍の場があります。
2019年に発売された染料インキの瞬筆には、うす墨があります。うす墨は不祝儀袋に記入する際に使用する色ですから、耐水性は不要ということで今回の瞬筆顔料インキのラインナップには含まれなかったものと思われます。
宛名は瞬筆顔料インキ、不祝儀用には瞬筆のうす墨。ぜひ一度、お手にとってその速乾性能をご堪能下さい。
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