たこぶろぐ

ブンボーグA(エース)他故壁氏が、文房具を中心に雑多な趣味を曖昧に語る適当なBlogです。

日本式鉛筆削り 二天一流握り器「634(ムサシ)」とは何か
どこかで噂だけは聞いたことがあるような気がするのです。
ただ、現物を見たことはありませんでした。
究極の鉛筆削り。
鉛筆が長持ちする鉛筆削り。
鉛筆の中で芯が折れない鉛筆削り。
それが、この──



北星鉛筆の二天一流握り器「634(ムサシ)」です。



定価は1,200円(税抜)です。
パッケージから取り出すと、何やらキューブ状の本体が出てきます。50ミリ四方、高さ48ミリってとこでしょうか。
上げ底っぽいパッケージですが、本体の他に説明書、使用開始日シール、本体収納ケース、替刃ユニットが附属しています。



80年代のバンダイデザイン(村上天皇)っぽくも見えますね。



蓋に穴があいているのですが、四つの面にそれぞれ「細(直径約7ミリ)」「中(直径約8ミリ)」「太(直径約10ミリ)」の穴が空いていて、鉛筆の太さによって向きを変えてはめる仕組みになっています。穴のない面がひとつだけあり、そこを前にすると削りかすがこぼれないようになっているわけですね。



心臓部ユニットには、ぶっとい中島重久堂の刃が2本。ユニットにはKITABOSHI×NJKの刻印があります。



さっそく削ってみましょう。1と書かれた右の穴に入れて、静かに回します。
するすると抵抗なく鉛筆が削れていきます。さすがNJKの大型刃です。気持ちいいです。
無理に押し込む必要はありません。軽い力で充分削れます。



突き当たったら終了です。



最初は棒状に削れてますね。
続いて、2つめの穴に入れましょう。



こちらも力を入れず、静かに回します。
突き当たれば終了です。



削れました。



見たことのない仕上がりになりました。
最初に太さ6ミリの棒状に削り、その後に必要な分だけ尖らせる。
木だけを削り、軸内の芯に影響を与えないようにしておいて、最小限の芯だけを出すようにする。

永く使えて、折れずに使えて、必要以上に削ることもなく、削る力も半減させる。

どこかで見たことがあるような気がしますね。



ムサシは北星鉛筆の、カール事務器への返歌──と考えてもいいのではないでしょうか。
あのNHK『超絶 凄ワザ!』でタッグを組み、「削った後で折れない赤鉛筆を生み出す」プロジェクトを担った北星鉛筆とカール事務器。
片や、本体である鉛筆の側面から。
片や、削り器の側面から。
その後カール事務器からはこのときのノウハウを活かした「エクスシャープナー」という究極の色鉛筆専用鉛筆削り器(定価20,000円・税抜)が発売されました。2017年のことです。

あれから2年。
北星鉛筆から、よもや普及価格での究極鉛筆削り器が登場するとは……!



一本の鉛筆を大切に使って欲しい、という北星鉛筆の願いが詰まったムサシ。
鉛筆好きな方にぜひお薦めします。

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