たこぶろぐ

ブンボーグA(エース)他故壁氏が、文房具を中心に雑多な趣味を曖昧に語る適当なBlogです。

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』回覧板について
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

毎年1月1日は映画を観に行っております。
2020年一本目は『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
映画の内容はここでは語りません。実に良い映画ですので、ぜひ劇場でご覧になって下さい。

で。
今回の話題は、その映画のグッズ。
劇中で回覧板が出てくるのですが、それを模したクリップボードです。



劇中、回覧板がアップになるシーンは二度あります。
最初のシーンがこれ。



すずが北條家に嫁いですぐ、「北條さん」と呼びかけられて自分のことだと気づかないシーンで登場します。

二度目がこちら。



終戦後、配給が途絶えていることを知らせるシーンで登場します。
グッズはこちらの、二度目の登場時の回覧板をベースにデザインされています。



紐を通すタイプの回覧板を再現することはナンセンスですから、ここは金属クリップで正解だと思います。

ただ、作中で二度登場する回覧板が「実は別物である」というのは、劇場でも観て、その後iTunesで購入してからも何度も『この世界の片隅に』を観ているわたしも気づかなかった点でした。




回覧の「覧」の字が異なります。
わたしは、寡聞にして二度目の「覧」の字を知りません。
最初の「覧」は旧字で、辞書を引けばすぐ判ります。



でも、二度目の「覧」は手許の漢和辞書やGoogle検索では判りませんでした。
「臨」に「見」と書くこの「覧」は、実在する漢字なのでしょうか。それとも、回覧板を作成したひとが誤って合字してしまった架空の漢字なのでしょうか。

隣保の阝(こざとへん)がおおざと(右側についている)なのは、そういう記載の揺らぎがあった時代なのだろうと想像することができますけど、二度目の「覧」はどうしてそうなったのか。

該当する部分のコミックスも確認してみました。
原作も、最初の回覧板は旧字の「覧」、二度目の回覧板は「臨」に「見」の「覧」です。
そういう意味では原作通りではあるのですが、こうの先生も片渕監督も、この「覧」が書かれた回覧板を資料上で確認しているから使用されているのだと思います。
わたしはこの漢字が実在するのか(あるいはこの字が書かれた回覧板が実在するのかどうか)を知りたくてたまりません。
きっと、コミックス下巻にある参考文献をひとつひとつ当たっていけば発見できるのでしょう。

またひとつ、人生の宿題ができたような気持ちになっています。
ゆっくりこつこつ調べていきましょうか。ね。

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