たこぶろぐ

ブンボーグA(エース)他故壁氏が、文房具を中心に雑多な趣味を曖昧に語る適当なBlogです。

『星新一 一〇〇一話をつくった人』
書物を読むカテゴリーが「小説を読む」しかないので、それにしちゃいますが。
小説ではなく、評伝です。

『星新一 一〇〇一話をつくった人』

『星新一 一〇〇一話をつくったひと』最相葉月・著(新潮社)読了。

星製薬社長の長男という生まれ。科学で育った青春時代。戦後、会社を継ぎ、そして苦悩の末の離脱──その後も作家になったからといって、順風満帆ではない人生。
とくに「ショートショートの第一人者」と呼ばれながらも文壇から無視され続け、ついに文学賞を手に出来ず迎えた晩年を描く後半は、予想以上に重い内容になっていきます。
苦悩。挫折。そして衰退……。

評伝ものの面白さは、時代小説を読むがごとく「おお、この人がこんなところでこんな風に関わっていたのか!」という驚きの部分。
堪能いたしました。小生の勉強不足で知らなかった、いわゆる「日本のSF黎明期」も本書で知ることができましたし。

これであとは世田谷に行って、ホシヅルを手にいれれば完璧ですか?
星新一展』は世田谷文学館にて、4月29日から6月27日まで開催されます。

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コメント

1. 星製薬

他故さん

1001話は良い本ですよね。

星さんが社長をしていた、星製薬の工場が、きたきつねの自宅の近く茨城県の牛久駅の近くにあったらしいです。

今は、何も残っていません

Re:星製薬

いや、本当に「人生にまさる物語なし」だと思います。
父が今書いている自伝が非常に面白いので、それを書物にしたいのですが……本気でやると命がけになりそうなのでちょっと躊躇しているところです。
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