たこぶろぐ

ブンボーグA(エース)他故壁氏が、文房具を中心に雑多な趣味を曖昧に語る適当なBlogです。

高さ210mm、幅110mmの魅力──第三の選択「puo」
マルマンから「puo」という新しい大きさのルーズリーフが出ました。
高さ210mm、幅110mm。高さ方向はA5判と同一で、幅方向が38mm短いナローサイズです。

中途半端な大きさだな、と思われる方も多いと思います。
A5判の幅は148mm。A4判を三つ折りにしたら、幅は99mm。その中間サイズである幅110mmには、どんなメリットがあるのでしょうか。

この幅が快適だと考えるひとはけっこういるようで、実は似たサイズの製品が世の中にはたくさんあります。
今回は写真にあるものを中心にご紹介しますね。



左から行きます。

・マルマン puo/バインダー(幅140mm:専用リーフは幅110mm)
・デザインフィル トラベラーズノート/リフィルノート(幅110mm)
・PLUS カ.クリエ/リングノート(幅110mm)
・PLUS カ.クリエ/ノート(幅105mm)
・(カスタム)マルマン 書きやすいルーズリーフパッド/A5横罫6mm(幅を110mmに切り詰めてあります)
・旅屋 A4三つ折り用紙用ジョッター※
・(特注)旅屋 他故壁氏専用ジョッター《アイギス》
・(カスタム)コクヨ キャンパスバインダー/スマートリング(幅を110mmに切り詰めてあります)

※ 旅屋のA4三つ折り用紙用ジョッターにはpuoサイズの用紙は入れることができません。A4三つ折り(幅99mm)専用ジョッターです。現在、中にはマルマンの「書きやすいルーズリーフワイド」A5→A4を三つ折りに折り直して入れています。

まあぶっちゃけて言えば、このサイズを浸透させたのはトラベラーズノートです。
ただ、トラベラーズノートは趣味性が高く、これを使ってビジネスや勉強に勤しもう、という流れは今のところ見えません。ファッショナブルな反面、スロースタイルすぎて仕事や勉強には似合わない、という感じがします。

掌で扱えてノートに近い記載量を持つ──この中間サイズに着目したメーカーは他にもあります。
「A4三つ折り」を売り文句にしたPLUSのカ.クリエです。
トラベラーズノートとの正面対決を避け、あくまで「ビジネスに便利」「収納性が良い」を売りに働く若い男女をターゲットに売り込みを続けています。
リングノート版が幅を110mmに揃え、裏に硬いダンボールを入れてバンドまでつけてきた段階で、がっぷり四つに組む気になったのか、とも思えたのですが……今後の展開も楽しみなシリーズです。

そしてここに、「トラベラーズノートと同じ幅を持つ」第三勢力が生まれました。
冒頭に紹介したpuoです。
「ホッチキス綴じの趣味ノート」がトラベラーズノート。
「無線綴じとリングを選べる仕事/勉強ノート」がカ.クリエ。
では、puoはどこを狙っているのでしょうか。

トラベラーズノートは革カバーを筆頭とした「お洒落カスタム」が当たり前の製品として。
カ.クリエは「携帯に便利」であることと「価格に見合う紙質の良さ」から、大人の使用に耐えうる製品として。
棲み分けはありますが、どちらにも共通した「魅力」があります。

1)ノート単体はバッグやポケットにするりと入る、薄くて携帯性が高いデザインである
2)大量に文字を記入する受験勉強的な消費ノートではなく、「情報をまとめ、持ち歩く(あるいは整理する)」ためのノートである
3)成人女性が持って「学生くさく(安っぽく)見えない」スタイルである

バッグが大型化していても、ノートを取り出して書く机は狭いものです。せっかく持ち歩いても、拡げる場所がなければ書かなくなるのが人間の常。
A5判も拡げれば横幅は約30cm。カフェなどでの使用を躊躇する大きさです。
そしてトラベラーズノートのように「何でも貼り込む」使い方をすれば、ノートは膨らみ、大きく重くなっていきます。
文字をぎっしり書くのではなく、紙片を貼り込み、そこに情報だけを書き込むスタイルであれば、幅はフルサイズいらないと判断される方も出てくるでしょう。そもそも、右端までぎっしりと文字を書くことは、高校時代で卒業されてしまったのでは?
そして、小型、軽量、ハンドバッグから出しても恥ずかしくないデザイン。
トラベラーズノートとカ.クリエは、はっきりとしたコンセプトが見えます。

では、puoはどうでしょうか。
puoはルーズリーフシステムです。
持ち歩くためには、バインダーが必要です。
バインダーは金具がついています。金具は直径を持ちます。重量もあります。
64ページから多くても100ページを軽々と持ち歩けるノートと、すでにバインダーという重さ・厚さを持つものを併用せねばならないルーズリーフシステム。
バインダーを、さっとハンドバッグから出すことができるでしょうか。
そしてそれは恥ずかしくないでしょうか。

小生はpuoというシステムを否定しようとしているのではありません。
トラベラーズノートやカ.クリエと「較べたら」こうならざるを得ない、と思うだけです。
そもそも、小生はトラベラーズノートやカ.クリエと同じ土俵の製品だとは思っていません。
puoは、情報カード的なスタイルでこそ光ると考えているからです。

小生のスタイルは以下の通りです。

1)puoリーフをジョッター《アイギス》に装備し、ジブン手帳といっしょに持ち歩く
2)30枚のpuoリーフ(7mm罫線、5mm方眼)をカスタマイズした軽量バインダーで持ち歩く
3)白紙リーフおよび記入済リーフをバインダーにしまう。バインダーは自宅に置く
4)特に必要なリーフは「文具王ノート」ことAccessNoteBookに貼る

puoリーフは、小生にとっては「大判の情報カード」です。
今でもメモのメインはとにかく5×3カード一辺倒の小生ですが、5×3カードでは書きにくい長文の考察やイラストラフなどはもう少し大きな紙が欲しい、と思うことが良くあります。
そういうときこそ、puoリーフの出番です。

以前《アイギス》には、リヒスキンのリーフを挟んでいました。
いまリヒスキンはその役目を終え、安らかな眠りについています。
なので、中に入れるジャストサイズの用紙を探していたのです。

puoにはジョッターが、そして本当の意味で持ち運びできる薄型のバインダーシステムが必要だと思います。
これこそが、このサイズを活かしきれる最良の選択ではないかと考えています。
いつでもどこでも、MPS800がある幸せ──トラベラーズノートでもない、カ.クリエでもない、第三の「幅110mm」。puoにはがんばってもらいたいですね。

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