たこぶろぐ

ブンボーグA(エース)他故壁氏が、文房具を中心に雑多な趣味を曖昧に語る適当なBlogです。

最高に楽しい文房具の歴史雑学
これはちょっといい本ですよ。



『最高に楽しい文房具の歴史雑学』(ADVENTURES IN STATIONERY ; A JOURNEY THROUGH YOUR PENCIL CASE)ジェームズ・ウォード著、関根光宏+池田千波訳。株式会社エクスナレッジから出版されています。

文房具の歴史について書かれた本です。著者が住んでいるのがイギリスなので、イギリスで入手可能な文房具という「縛り」があって、それが日本人である小生の気持ちとなかなか噛み合わなくて……でも読んでいるうちに、そのギャップがちょっと楽しくなってきます。

イギリス、アメリカ、フランス、ドイツと、世界の名だたる文房具が登場しますが、日本の文房具は発明に絡んでこないと登場しません。
まあそうですよね。この本に紹介されている文房具は、基本的に「最初に発明されたメーカー」あるいは「イギリスで入手可能なメーカー」に限られています。
でも、それはイギリス人が書くのですから、当然と言えば当然で。
よく調べられていますし、基本的に使ったことのあるものを語ってるので、偏見や先入観はありません。訳者もよく調べているので、用語の間違いもありません(誤植は4箇所ありましたが)。

歴史的な事実が述べられているので、もちろん各社の歴史をばらばらに調べれば判ることばかりが書かれている、ということもできるでしょう。
でも、それが一冊にまとまっている、しかも読みやすい文体でまとめられている、というのが価値なんですよね。
さらに、文房具メーカーや文房具店にいろいろ突っ込む姿勢に共感が持てます。この人、多分、友達になれます。

惜しむらくは、図版が決定的に足りないことでしょうか。本書を片手に、グーグル検索で画像を見ながら読むことをお勧めします。

小生も恥ずかしながら、本書にて言及されているフランク・アバグネイルとユニボールの関係は知りませんでしたし(気になる方は是非本書をお読みください!)、映画や小説と文房具の関わりなど随所に楽しみがちりばめられています。番号なんかで呼ぶな! 私は自由な人間だ!

お手元に一冊あって、決して無駄にはならない内容だと思います。
特に、海外の文房具に興味があっても実際には見たり触れたりしたことのない、そんな方にお勧めします。
なかなか日本の製品が出てこないジレンマを感じながら読み進め、「おお、ここで出てくるか!」と展開を楽しむ、そんな読み方もできます。
文房具好きのあなたに。

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